境界性パーソナリティ障害と発達障害境界性パーソナリティ障害について?
「発達障害」を抱える方々、身の回りに「発達障害」を抱える方を持つ方々、すべての皆様へ向けて「パーソナリティ障害」についての情報をお届けします。 この記事で紹介するのは、様々な種類を持つ「パーソナリティ障害」、その一つである「境界性パーソナリティ障害」です。 複合的な問題を抱える「境界性パーソナリティ障害」、その当事者が抱える苦労を取り除くための支援の方法は様々です。 ◆ ◆ ■目次 境界性パーソナリティ障害とは境界性パーソナリティ障害とは
「境界性パーソナリティ障害」を解説する前に、そもそも「パーソナリティ障害」とは何でしょうか? 「パーソナリティ障害」とは、多くの人々との共同生活の中で他者と違う反応や行動を取ってしまうことに対する苦痛を抱えるという精神疾患です。 「この他者と違う反応や行動」によって対人関係が不安定になり、日常生活や仕事に支障を引き起こしてしまうのです。 境界性パーソナリティ障害の特徴境界性パーソナリティ障害の特徴
一つ目のキーワードは「対人関係」です。 「境界パーソナリティ障害」の当事者は、人から見捨てられることに敏感で常に不安を感じています。 これは、実際に見捨てられるような状況に陥る場合と、自身が見捨てられていると思い込みむ場合、両方が該当します。 この「見捨てられている」という感覚から不安や怒りが増幅し、自己のコントロールが難しい状況に陥ってしまうのです。 この対人関係を維持することの難しさは、孤独感への耐え難さとも言えるでしょう。 そのため、他者の気持ちに敏感なため、他者のために頑張ったり、思いやりを持って行動する場面も見られます。 しかし、その反動で数度会ったことのある相手を過度に信用してしまうこともあります。 自身のニーズを相満たすに値しないと分かると一転、その相手を極端に嫌うなどコミュニケーションに難しさを抱えているのです。 二つ目のキーワードは「自己像」です。 自身に対する評価、自身が持つ趣味や意見が一定でなく変化し続けるのです。 これは、すべての物事について「自分が悪い」と感じているという心理が関係しています。 周りの人々からの支えが不十分だと、この自己嫌悪が強くなり自分を変えようとする心理が働くのです。 三つ目のキーワードは「衝動コントロール」です。 他者から「見捨てられている」という感覚を引き金に自身の衝動をコントロールできなくなり、浪費・犯罪・過食・ギャンブル・薬物・安全でない性行為・自傷行為(リストカットなど)・自殺未遂を繰り返す傾向が生まれます。 これらの行動は、周りからの関心や助けを得ようとしたアピールであると誤解されてしまいがちですが根本は自身の衝動をコントロールし兼ねていることにあるのです。 冷静を取り戻した後で自身の行動を後悔し、その心理状態が様々な悪影響を及ぼすことも少なくありません。 四つ目のキーワードは「感情」です。 当事者は自身の感情をコントロールするのが苦手です。 そのため、他者を傷付けるような態度と言葉として表出されます。 自身の感情をぶちまけた後は、その恥ずかしさや申し訳なさに苛まれ、自己嫌悪が強まります。 最後のキーワードは「認知」です。 激しいストレスが掛かっている時にとても現実的とは言えない思考をしたり、現実逃避が増えたりすることがあります。 「見捨てられている」という不安に関連して、一時的に起きる症状です。 自傷行為や非行するスケープゴート 境界性パーソナリティ障害の原因境界性パーソナリティ障害の原因って?
「境界性パーソナリティ障害」の原因は、まだ十分に解明されていません。 しかし、近年の研究によって、「衝動コントロール」については中枢神経系を制御する神経伝達物質(セロトニン)が作用する神経系の機能低下に起因するなどの生物学的特性や、発達期の苦難の体験が関連していると明かされました。 養育環境や、養育期の辛い体験が発症に繋がっている可能性も示唆され、今も研究が続いています。 依存性パーソナリティ障害 境界性パーソナリティ障害の接し方境界性パーソナリティ障害の接し方はそうすれば良いの?
「境界性パーソナリティ障害」を抱える人の身の回りの方は、どのような支援をするべきでしょうか。 身の回りの人々の適切なサポートを叶えるためには、当たり前ですが身の回りの人々に最初に「境界性パーソナリティ障害」の特性について周知する必要があります。 働いている方なら会社に自身の症状を伝えましょう。 「パーソナリティ障害」についての理解が深まれば、通院を考慮した勤務形態を整理したり、適性に合った業務を割り振ったりなど、会社を自身の心地よい環境に変えられます。 会社以外のコミュニティや学校など、様々な場所で有効です。 境界性パーソナリティ障害の治し方境界性パーソナリティ障害の治し方って?
「境界性パーソナリティ障害」が治療に繋がった事例は多くありません。 医療機関受診の多くは、他の精神障害が併発している場合です。 治療法には、以下のような方法が挙げられます。 一つ目は「弁証法的行動療法」です。 「境界性パーソナリティ障害」の治療に最も効果的とされる治療法で、唯一、自殺行動の減少に効果が発揮されていますまた、感情のコントロールにも効果があると考えられています。 二つ目は「メンタライゼーション」です。 自身と他者の感情や思考、欲求を理解した上で、自身および他者との適切な距離を保つためのトレーニングを行います。 グループセラピーと個人療法の両方を約2年間受け、メンタライゼーション技能を発達させる手法を取ります。 三つ目は「スキーマ療法」です。 数種類の治療法を統合した方法です。 「境界性パーソナリティ障害」の症状を子ども時代に発達し生涯を通して進化し続けるスキーマに由来すると捉え、週数回のセッションを3年間行うことで改善を目指します。 まとめ
本記事では発達障害を抱える方に向けて「境界性パーソナリティ障害」についてご紹介しました。
この記事を読んで、ご自身が「発達障害」「アダルトチルドレン」の傾向があるかもしれないと思った方は、ぜひ他の記事にも目を通して、理解を深めていただければと思います。 また、自分一人で抱え込まず、周りの人へ相談することも有効的です。困った時はぜひ、発達障害アートカフェバー金輝へお問い合わせください。 「発達障害」の方、「アダルトチルドレン」を取り巻く環境には「トラウマ」「共依存」「機能不全家族」「自己嫌悪」「対人恐怖症」「劣等感」「自己肯定感」「虐待」「毒親」「うつ病」「摂食障害」「インナーチャイルド」「パニック障害」「依存症」などの言葉も関係しています。上記のような言葉にピンと来た方のお問い合わせもお待ちしております |